矯正のこと

矯正歯科とは

悪い歯並びを自然できれいな並びにするための治療と思っている方が多いと思います。確かに悪い歯並びをきれいな見た目にするという点では間違いございません。しかし、歯科矯正の目的はそれだけではございません。

見た目と同じく「噛み合せを正しい位置に調整する事」も目的の一つです。噛み合せが悪いと頭痛・腰痛・顎関節症など全身にも悪影響を及ぼす危険性があります。人間の体は無意識のうちにバランスを取ります。噛み合せが悪いと人体のバランスが崩れるため、身体は重心をずらします。

重心がずれると頭のバランスが崩れ、それをカバーするために肩・首・腰など他の部位でバランスを取ろうとします。このように、噛み合せのバランスの悪さが体の様々な部位を歪ませ、痛みや不調として現れます。
一方で、歯科矯正を行うことにより発音が改善されたり、歯磨きの時に歯ブラシの毛先が歯と歯の隙間などに入りやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクを下げることにもなります。
大人の矯正の目的は見た目の改善だけでなく、噛み合わせを改善することにより健康増進の目的もあります。

≪歯科矯正メリット≫
  • 見た目が自然な美しさになる
  • 歯ブラシや歯間ブラシが通りやすくなる
  • 歯周病や虫歯になるリスクを下げることに繋がる
  • 発音が良くなる
  • 噛む能力が上がる
  • 見た目が良くなることにより自身が持てる
≪歯科矯正デメリット≫
  • 多くの時間と費用が掛かる
  • 矯正期間中は付けた装置が目立つものがある
  • 矯正期間中は歯と装置の隙間などのケアに注意が必要
  • 歯の根が溶けてしまうリスクがある
  • 必ず理想的な歯並びになる保証はない

子供の矯正

歯科矯正は永久歯が生え揃う前から行う方が良いと言われています。成長過程の方が顎の骨の成長に合わせて、歯の生えてくるスペースをコントロールしながら矯正を進めることができるからです。

永久歯が生え揃い顎の骨の成長が終わると、歯を動かすだけの方法になりがちです。また、子供の矯正の場合、ワイヤーなどの装置を常時付けない「床矯正」という方法もあります。

付け外しが自由に行える装置を使うため、痛みがあったとしても調整が簡単です。学校などでは装置を外し、自宅に戻ってから装置を付けるというやり方も可能なので、歯科矯正に対してのストレスも軽減できます。ワイヤー矯正よりも安価で行えるのもメリットですが、ワイヤー矯正よりも効果は低くなります。子供の矯正を検討する際は方法が色々ありますので歯科医師によく相談してください。

歯科矯正の種類

歯科矯正は矯正専門医として看板を掲げている医院もあるくらい専門性が高い治療です。
本気で矯正を考えている方は、現在通院している歯科医院が歯科矯正を行っていない場合もあるので、自分に合った矯正歯科医院とはどんなところかを相談しても良いともいます。

ブラケット矯正

歯の1本1本に「ブラケット」という小さな装置を取り付け、この装置にワイヤーを通して固定させます。ワイヤーを少しずつ引っ張ることにより歯を動かします。一般的によく用いられている方法です。最近では透明な素材のブラケットが出来たり、歯の裏側に装着する方法もできるようになり、矯正中の見た目も改善されてきました。

マウスピース矯正

マウスピースを使用した取り外しが可能な方法です。食事中に取り外すことにより衛生面でも安心です。また、歯磨きも通常通りに行うことができます。小さなズレを直す時に使われることが多く、大きなズレを直す時にはあまり使われません。

セラミック矯正

既存の歯に白いセラミック被せて見た目をきれいにします。セラミックの形を整えて噛み合わせを改善する時に用いる方法です。痛みや違和感はほとんどありませんが、セラミックを被せるために歯を削ったり神経を抜いたりする場合があります。

部分矯正

特に前歯の矯正に用いられる方法です。部分的にブラケットを装着したり、マウスピースを用います。全体的な歯並びや噛み合せは悪くないけれど、1本だけズレているのが気になるという方にはお薦めです。

ひとことに歯科矯正といっても様々な方法があります。どの方法にするかは歯科医師とよく相談して決めましょう。