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顎関節症とは?原因と治療法

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  • 2022.12.21

顎を動かす時に痛みや音がしたり、動かしにくくなる病気である顎関節症。

統計によると、多くの人が経験している顎関節症ですが、原因はなんなのでしょうか?

今回は、そんな顎関節症について、起こる原因や治療法などをお伝えしていきます。

 

顎関節症とは

顎関節症とは、一般社団法人日本顎関節学会によると『顎関節や顎を動かしている咀嚼筋の痛み、顎関節雑音、開口障害あるいは顎運動異常を主要症候とする障害をとりまとめた病名』になります。

具体的には、口を開こうとすると顎関節や顎を動かす筋肉が痛んだり、大きく口を開けられない、口の開け閉めでカクンとひっかかったり、顎関節にギシギシと音がする、などのどれかの症状がある場合には、顎関節症にあたります。

外傷などをきっかけに起こる場合もあれば、はっきりとした原因がわからないものもあります。
 
 
【顎関節症は若年の女性に多い】
 
顎関節症の発生頻度は、年齢が上がるにつれて高くなると言われ、10歳代後半から20歳代が発症のピークで、その後はしだいに減少していく傾向にあります。

性差では、女子の方が男子よりも多いとされています。
 
 

よくある原因

 
顎関節症の原因はどれか一つではなく、多くの要素が組み合わさっていると考えられています。

顎関節症の原因について見ていきましょう。
 
 
【歯ぎしり・食いしばり】
 
ぎりぎりと歯をすり合わせる歯ぎしりや、食いしばりは、顎関節や周囲の筋肉に大きな負担がかかるので顎関節症の原因になります。

意識のない夜間に行っている方がほとんどですが、日中でも癖になっている方がいるので、気をつける必要があります。
 
 
【悪い歯並び・噛み合わせ】
 
悪い歯並びや噛み合わせは、顎関節症や筋肉にかかる負担が左右非対称になり、結果として顎関節症を引き起こす可能性があります。

成長期であれば、成長によって修正されますが、成長期が終わっている場合には自分で治すのは難しいでしょう。

虫歯や歯周病で弱っている歯があり、その歯を避けて生活している場合も同じです。
 
 
【外傷などきっかけがはっきりしているもの】
 
交通事故による外傷、顔面打撲、歯科治療で長時間大きく口を開けた、硬いものを噛んだ、などです。

きっかけがはっきりしているもので顎関節症が引き起こされる場合は、回復も容易とされています。
 
 
【ストレス】
 
ストレスは、多くの場合で顎関節症の原因になっていると言われています。

ストレスがあることで、筋肉が緊張したり歯を強く噛み締めてしまったり、夜間の歯ぎしり・食いしばりにもつながります。
 
 
【姿勢の乱れなど生活習慣に起因するもの】
 
猫背や姿勢の悪さ、顎や口を使う楽器の演奏は、顎関節症の原因になります。
 
 

顎関節症が疑われる症状

 
以下のような症状がある場合は、顎関節症の疑いがあります。
 
 
【口を開ける時に痛みがある】
 
口を開ける時に、関節、もしくは顎を動かす筋肉に痛みがある場合は、顎関節症の可能性があります。

痛みがある場合は、無理に動かすと悪化する可能性があるので、避けるようにしましょう。
 
 
【顎を動かす時に音がする】
 
顎関節症の初期症状として、顎を動かす時に、ジャリジャリ、ゴリゴリという音がすることがあります。

また、クリック音といって、関節円板がずれる時の音も特徴的です。
 
 
【口を開けたり閉じたりしにくい】
 
痛みがあったり、ひっかかるような感覚があり、顎が動きにくい時は顎関節症を疑いましょう。

重度の顎関節症の方ですと、指一本分くらいしか口が開かない場合もあります。
 
 
【頭痛、肩こりなど全身症状がある】
 
顎関節症の症状が、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こす場合もあります。
 

顎関節症の治療法

 
【安静にする】
 
顎関節や周囲の筋肉が痛む時は、まずは安静にして顎を動かさないようにします。

顎関節症が一時的な症状の場合には、安静にしているだけで元にもどる事が多いです。
 
 
 
【マッサージなど理学療法を行う】
 
理学療法は、運動機能や運動能力の回復を目的に行うもので、マッサージをしたり温めたり電気を流したり、などの治療を行います。
 
 
 
【マウスピースを制作する】
 
歯ぎしりや食いしばりによって、顎関節症が引き起こされている場合には、マウスピース(スプリント)を制作します。

マウスピースによって、噛み合わせを調整したり、関節周囲の筋肉や関節を整えることが出来ます。
 
 
 
【癖や日常の姿勢の改善】
 
顎関節症の原因になる癖や、姿勢の改善、食事や生活指導を行い、顎関節症の改善を目指します。

精神や身体に関する専門家による検査が必要な場合には、そちらの指示も行います。
 
 
 
【専門家による咬合治療、外科的処置】
 
早期接触や噛み合わせの干渉が認められる場合や、咬合が不安定な場合には、咬合調整を行います。

また、顎関節変形症など外科処置が必要な場合には、外科的処置を行う事もあります。
 

まとめ

 
顎関節症の原因や治療法についてお伝えしてきました。

顎関節症の原因には、さまざまな要因があり、どれが実際の原因ということは難しいです。

思い当たる習慣を自分で改善することも大切ですが、自分で行った結果、症状が悪化するという可能性もあります。

顎に痛みを感じたり、音がする場合には、まずは歯科医院で相談することをおすすめします。