歯茎が黒くなる原因を知って、適切な対処法と予防に努めましょう

歯茎が黒く変色している。そのため人前で笑いにくい、などのコンプレックスをお持ちの方は意外と多いのではないでしょうか。
見た目だけではなく、そのまま放っておいてよいのか、治療の必要があるのか。
今回の記事では、歯茎が黒く変色しているその原因、治療が必要なのであれば治療法、日頃から出来る予防法についてお伝えしていきます。
最後まで読むことで、歯茎の黒変についての心配はなくなります。
歯茎が黒くなる原因とは
健康であればピンク色をしているはずの歯茎、それが黒くなる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれの原因について見ていきましょう。
喫煙
歯茎が黒くなる原因としては喫煙があげられます。
喫煙の習慣があり、歯茎が全体的に黒ずんでいるのが特徴です。
タバコに含まれるニコチンやタールなどの有害成分から歯肉を守るためにメラニン色素が作られ、歯肉に沈着してしまうからです。
痛みや腫れなどが出ることもなく、そのままにしておいても悪化することはありません。
また、間接喫煙でも起こるので、喫煙者の家族がいる子供にも見られることがあります。
歯科治療に用いた金属による変色(メタルタトゥー)
歯科治療に使う被せものや、土台に使った金属が溶けて付近の歯肉に沈着して黒くなることがあります。
全体ではなく、治療をした歯の付近だけが変色しているのが特徴です。
金属は経年的に劣化し溶け出します。その成分が歯肉に沈着することで黒く変色してしまいます。理屈としては入れ墨などと同じため、メタルタトゥーと呼ばれます。
見た目以外に問題はなく、原因となる金属を除去しても治ることは少ないです。
歯周病
歯周病が進行することで歯茎が黒ずんで見えることがあります。
歯周病とは、歯肉や歯を支える骨など歯の周りの組織が細菌によって侵される病気のことです。初期であればブラッシング時の出血で収まりますが、進行することで歯茎が黒く変色してしまいます。
また、歯と歯茎の間の溝に黒い歯石が沈着するため、歯茎が黒く透けて見えることもあります。
歯周病は強い痛みが出ることはありませんが、治療をしないと治らない病気なので、歯科医院での治療が必要になります。
歯の神経が死んでいることによる変色
虫歯の細菌や、転んでぶつけた、など何らかの理由で歯の神経が死んでいる場合、経年的に歯が黒く変色していきます。
歯自体も黒くなるのですが、根の部分も同時に黒くなり、それが歯肉を通して黒く変色しているように見えます。
歯肉の問題ではなく歯の治療が必要で、そのままにしていると歯自体が強く痛む可能性もあります。
原因別に考える適切な対処法
歯茎が黒くなった原因についてお伝えしてきました。
では、それらに対してどうすればよいのでしょうか?それぞれ原因ごとに見ていきましょう。
喫煙が原因の場合の対処法
喫煙によるメラニン色素の沈着に対しては、黒くなってしまった部分をレーザーで取り除く治療で治る場合があります。
他にも、歯肉のピーリング(ガムピーリング)といって、歯肉に特殊な薬液を塗り、表面の歯肉を剥がして、新しいきれいな歯肉と交換する治療もあります。
どちらもすべての歯科医院で行っているわけではなく、また、審美治療のため保険がきかない治療になるので、気になる方は問い合わせてみましょう。
もちろん、原因となる喫煙習慣を改善しない限りは、新しいメラニン沈着が起こってしまうので、禁煙、もしくは本数の減少を行う必要があります。
歯科治療に用いた金属による変色が原因の場合の対処法
歯科治療に用いた金属による変色は、第一に原因となる金属を除去することが必要になります。
歯周病が原因の場合の対処法
歯周病による歯茎の変色に関しては、歯周病の治療を行うことで改善します。
歯周病の治療は、正しい口腔ケアと歯科医院での歯石除去が基本です。
歯茎と歯の間の汚れをしっかりと取り、歯石を除去することで健康な歯茎を取り戻すことができ、ピンク色の歯茎が戻ってきます。
治療を行わないと、歯茎の変色だけではなく、歯を支える骨が溶けて最悪、歯を抜歯する事になります。
歯の神経が死んでいることによる変色が原因の場合の対処法
歯の神経が死んでいることによる変色は、歯科医院で該当する歯の治療が必要になります。
レントゲンで歯の状態を確認し、状態にあった治療をしていきます。
そのままにしておくと歯の神経の感染がすすみ、脈打つような強い痛みが出ることがあるので、はやめに治療する必要があります。
歯茎の黒ずみを抑えるための予防法とは
治療法についてお伝えしましたが、それでは、歯茎の黒ずみを予防する方法はどのようなものがあるのでしょうか。
正しい方法と道具でホームケアを行う
自分にあった歯ブラシと歯間清掃用具を使いホームケアを行うことで、歯周病の予防ができます。
歯ブラシのサイズが合っていないと、汚れが取れないだけでなく、歯茎を傷つける可能性があります。
また、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れが取れないので、歯間ブラシやフロスなどを使うようにしましょう。
生活習慣の改善
喫煙は身体への影響だけではなく、歯肉の変色を引き起こすことは上記でお伝えした通りです。
禁煙、もしくは本数を減らすことを心がけるとよいでしょう。
また、加熱式タバコにはタールの量が少ないものもありますので、禁煙などが難しい方は加熱式タバコにかえてみるのも良いかもしれません。
定期検診
ホームケアや禁煙だけでなく、定期的に歯科医院で検診を受けることも大切です。
歯科医院で正しい歯ブラシの仕方を教わったり、歯石除去を行うことで歯茎の健康を保つことができます。
医院によっては、レーザーやガムピーリングなどを行っている所もあるので、歯茎が黒くて気になっている人は聞いてみるのも良いでしょう。
まとめ
歯茎が黒くなる原因と対処法をお伝えしてきました。
生活習慣や日々のホームケアで予防できる部分を意識してみるとよいかと思います。
また、自分の歯茎が黒く感じた場合は、歯周病や歯の神経が傷んでいる場合もあるので、一度歯科医院で確認してもらうようにしましょう。