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始める前に知っておきたい!マウスピース矯正のメリット・デメリット

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  • 2020.12.12

目次

マウスピース矯正の特徴

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正のデメリット

まとめ

 

ワイヤーを使わずに歯科矯正が出来る事をご存知でしょうか?

一般的に歯科矯正と聞いて思い浮かぶのはワイヤーを使った矯正だと思います。

しかし、最近では歯科医療の進歩によってマウスピースを使用した矯正ができるようになりました。

ワイヤーを使った歯科矯正だと矯正器具が目立ってしまったり、矯正器具と歯の隙間に虫歯になりやすいなどのデメリットがありました。

それらを解消できる方法としてマウスピース矯正があります。

しかし、新しい技術のため知られていない部分も多いと思います。

今回はマウスピース矯正のメリットとデメリットをご説明いたします。

 

 

マウスピース矯正の特徴

ブラケットという器具を歯に固定させ、そこにワイヤーを通して歯を動かす歯科矯正を「ブラケット矯正」と言います。

普段生活をしていてよく目にする歯科矯正だと思います。

これはブラケットを歯にがっちり固定させるため取り外しができません。

また、ブラケットとワイヤーが見えるため笑った時などに目立つという特徴があります。

対してマウスピース矯正では、歯に直接的にブラケットやワイヤーを固定させないため、取り外しが簡単にできます。

食事や歯磨きの時に取り外しができるため、歯磨きなどのケアがしやすく、衛生的に保つことができます。

また、薄く透明度の高いプラスチックの素材を使用するため目立ちにくいという特徴もあります。

 

≪こんな方にオススメ≫

・歯にずっと装置がついているのが嫌

・矯正装置が見えるのがNGに仕事についている

・歯科矯正をしていることを気付かれたくない

口の中に器具が入っている違和感や見た目に抵抗があり、歯科矯正を躊躇していた方にはぴったりな治療方法だと思います。

 

 

マウスピース矯正のメリット

・金属アレルギーの方でも使用できる

ブラケット矯正で使用されるワイヤーやブラケットは金属製です。

そのため、クロムやニッケルなどの金属アレルギーの原因になる可能性があります。

もうすでに金属アレルギーだとわかっている方や金属アレルギーに対して不安がある方でも、金属を使わない矯正なので安心して使うことができます。

 

・痛みを感じにくい

マウスピース装着時の痛みはほとんどありません。

脱着時に歯を引っ張られる感じにより違和感があるかもしれませんが、ブラケット矯正と比べると痛みが少ないと言われています。

 

・他の歯科治療も並行して受けられる

矯正器具の取り外しができるため、ホワイトニングや虫歯の治療も矯正治療と並行して行うことが可能です。

ブラケット矯正の場合、虫歯がある方は先に全ての虫歯の治療を終える必要があったり、矯正治療中に虫歯が出来てしまった場合は、治療を中断することもあります。

その点、マウスピース矯正はお口の中に何かトラブルが起きても、時間のロスが少なくて済みます。

 

・取り外しが簡単なためケアが行いやすい

ブラケット矯正は器具の取り外しが歯科医院でないと行えません。

その為、矯正中はずっと付けていることになり、急に歯が痛くなったとしても自分で外すことができません。

マウスピース矯正の場合は自分の意志で外すことができるため、痛みや違和感があった場合すぐに外して対処ができます。

基本的には1日の装着時間が20時間とされているので、その時間さえ守れば食事や歯磨きなどは普段通り行うことができます。

矯正器具も簡単に洗うことができるので衛生的でもあります。

 

・目立ちにくい

ブラケット矯正は歴史も深く、効果も出やすく、どの地域でも治療が受けやすいというのが最大のメリットです。

ただし、矯正器具が目立つことが嫌だというデメリットがどうしてもついてきます。

ブラケット矯正は透明なプラスチックの素材を使うため、仕事柄人とよく話す職業についている方や思春期のお子さんでも始めやすいです。

 

 

マウスピース矯正のデメリット

・着用を怠ると効果が小さいくなる

良くも悪くも簡単に外せるということで、あまり長い時間外したままでいると矯正の効果が出にくくなってしまいます。

1日20時間の着用が基本なので、歯磨きをした後にマウスピースの着用を忘れてしまうと、それだけで着用時間の目標を外してしまいます。

 

・複雑すぎる歯並びには適さない

大きく歯を動かす場合や強いねじれがある場合、時間とコストが多くかかります。

大きく歯を動かしたりねじれがある場合はブラケット矯正の方が効果が出やすいです。

歯科医師と相談し適切な方法を話し合いましょう。

 

・強い歯ぎしりがあるとマウスピースが破損する

マウスピースはプラスチックで作られるため、寝ている時や無意識のうちに強い歯ぎしりがあると割れてしまう恐れがあります。

噛み合せが強く当たる部分にも注意が必要です。

もし壊れてしまったら早急に歯科医院で新しいマウスピースを作ってもらいましょう。

マウスピースがすぐに壊れてしまうという場合は、別の治療方法を相談しましょう。

 

・歯磨きを怠ると虫歯のリスクが高くなる

マウスピース矯正は歯を全体的に覆います。

すると唾液が流れなくなり、再石灰化が起こり辛くなります。

再石灰化とは唾液の力によって虫歯菌などに溶かされた歯を再生する事です。

マウスピースを付ける前に歯磨きを怠ると、歯に付着した汚れが唾液に洗い流されることなく、残りっぱなしになります。

すると虫歯の進行が早くなってしまいます。

食後はしっかりと歯磨きを行ってください。

歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスも合わせて使用するとよいでしょう。

また、フッ素入りの洗口液を使用すると虫歯リスクに対してより効果的です。

 

 

まとめ

歯科矯正には治療範囲に応じて治療方法を選択することができます。

マウスピース矯正は目立ちにくく、付け外しの自由が利くのは良い点ですが、矯正の効果や治療内容の幅でいうとブラケット矯正の方が良さそうです。

費用面で見るとマウスピース矯正の方が安価ではありますが、複雑な矯正を行う場合には、かえってブラケット矯正よりも高くなる恐れもあります。

また、最近では白いブラケット矯正や、歯の裏側にブラケットを装着する方法も出来るようになってきました。

自分の歯の状態と要望を歯科医師とよく相談して、最適な方法を一緒に探すようにするとよいでしょう。

 

執筆/ひらかわ歯科医院 院長 平河貴大