虫歯

予防歯科をご存知ですか?虫歯のしくみを知って虫歯を予防しよう

  • 虫歯
  • 2020.09.22

歯科医療の発展に伴い、病気と歯の関係が明らかになったり審美性を求め歯のホワイトニングや矯正歯科のこともよく耳にするようになりました。

昔は「歯医者=痛い」「歯医者=怖い」

などのイメージがあったものですが、時代と共に歯医者は私の生活には欠かせない身近なものになりつつありますね。

さて今回は虫歯予防についての記事です。

虫歯になって嫌々歯医者に行くのではなく、虫歯になる前の「予防歯科」で歯医者が皆さまの身近な存在になってくれると嬉しいです。

 

 

 

《目次》

■虫歯はなぜできるの?虫歯のしくみを知ろう!

■糖は甘いものだけじゃない?

■予防歯科ってどんな治療?

■自宅での虫歯予防

■まとめ

 

 

 

虫歯はなぜできるの?虫歯のしくみを知ろう!

虫歯になるしくみをご存知ですか?

お口の中には虫歯菌がいます。

この虫歯菌の大好物は食べ物の中に含まれる「糖」です。

糖を餌にして酸を作り出し、この酸が歯の表面のエナメル質を溶かし虫歯になってしまいます。

虫歯菌の出す酸が歯を溶かしてしまうことを「脱灰」と言います。

 

ただし人間の唾液は虫歯菌の作り出す酸を中和してくれる役割と

「再石灰化」という歯の表面のエナメル質を修復をしてくれる役割があります。

この再石灰化が脱灰よりも長い時間行われ、

歯を修復してくれているのであれば、虫歯にはなりにくいということです。

 

糖は甘いものだけじゃない?

糖と聞くと砂糖やチョコレートなどの甘いものを想像する方は多いと思いますが糖はご飯やパンなどにも含まれています。

ご飯などは単糖が数百・数千融合している多糖類という糖類です。

 

《虫歯になりにくい食材》

根菜類(ごぼう・人参など)

葉物野菜(キャベツ・ほうれん草・レタスなど)

 

 

《虫歯になりにくい食材》

酸が強い果物

(レモン・グレープフルーツなど)

歯にくっつきやすいお菓子

(チョコレート・キャラメル・スナック菓子など)

 

 

予防歯科ってどんな治療?

歯科に虫歯治療だけでなく予防治療があることはご存知ですか?

歯にコーティングやトリートメントをして汚れや傷をつきにくくしたり、

正しい歯磨きの方法を教えてもらったり、

虫歯の原因となる歯磨きだけで取り除けない歯垢や歯石を取り除く治療です。

 

それでは歯医者での予防歯科治療を詳しく説明していきます。

 

スケーリング

スケーリングとは、「スケーラー」という機具を使用して歯肉や歯周ポケットから歯垢や歯石などを取り除く治療法です。

超音波の細かい振動を使って超音波を使用してブラッシングでは取り除けない歯石を取り除きます。

歯石は磨き残した歯垢が時間を掛けて固まったものなので、歯石は1度取り除いても、ブラッシングでは取り除けない部分に付着した歯垢があると、再度形成されてしまいます。

歯石ができるまでには3ヶ月ほどかかると言われているので、3ヶ月毎を目途に定期検診を兼ねて取り除くことをおすすめします。

 

 

PMTC

PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」のことです。

専用の機具を使って通常の歯みがきでは落としきれない歯の表面の汚れや歯垢、バイオフィルムなどを取り除く方法です。

PMTCによるクリーニングには、虫歯や歯周病を防ぎ、強く美しい歯を保つ効果があります。痛みもほとんどなく、時間もかかりません。

 

 

リナメルトリートメント

リナメルトリートメントは、歯の表面をツルツルにしていくトリートメントケアです。

専用のペーストを使いエナメル質の表面を、美しくなめらかにします。

ツルツルした歯の表面には歯垢がつきにくくなるためプラークコントロールに役立ちます。

 

 

ブラッシング指導

ブラッシング指導では正しい歯磨きの方法をお教えします。

毎日歯を磨いているのに虫歯になってしまう方は実は正しい方法で歯磨きができていないのです。

患者様ごとの磨き残しや歯磨きの癖などをしっかりとチェックし、なるべく歯垢を残さないための正しい歯磨き方法を指導いたします。

 

 

フッ素塗布

フッ素加工という言葉を聞いたことがあるかと思います。

車を洗うときなんかによく使われる言葉で汚れや傷がつきにくいなどのメリットがあります。

同じく歯でのフッ素塗布には、

「歯の表面に汚れが付くのを防ぐ」

「歯を丈夫にする」

「細菌の活動を抑制する」

効果があります。

フッ素塗布は簡単に始められる虫歯の予防方法なので歯が生えたての小さなお子さんにもおすすめです。

 

 

自宅での虫歯予防

自宅でも簡単に始められる虫歯予防があります。

毎日意識するだけでも変わってくるのでぜひ試してみてください。

 

虫歯菌を増やさない

虫歯菌を増やさないようにするためには

・「フッ素入り歯磨き粉」を使用する

市販で手に入る歯磨き粉の中にはフッ素が配合されているものがあります。

その中でも、よりフッ素濃度が高いものを使用するとよいでしょう。

 

・「キシリトールガム」を噛むこと

ガムなどをよく噛む方はキシリトール配合のガムにするとよいでしょう。

キシリトールは砂糖に変わる代替甘味料です。

キシリトールは虫歯菌の餌にはならないので、

歯垢を作り出すことができなくなります。

当然他のおやつなどで糖分を摂取すると意味が無くなってしまうので、間食で甘い物を好んで食べる方は、食べる物をキシリトールガムに置き換えることで効果を得ることができるでしょう。

 

 

食事回数を減らす

唾液には虫歯菌が作り出した酸を中和してくれる役割を担っています。

唾液が役割を果たしてくれていれば、酸が歯のエナメル質を溶かしてしまったとしても再石灰化で元の状態に戻っていきます。

通常の食事に加えて間食などを行うことにより、食事の回数が多くなると、再石灰化よりも酸が歯のエナメル質を溶かす脱灰が多く行われることになってしまうため、再石灰化と脱灰のバランスが脱灰に傾き、結果として虫歯になります。

 

正しい歯磨き(ブラッシング方法)

歯と歯茎の間や奥歯などは歯ブラシが届きにくいため正しい方法でブラッシングしてあげる必要があります。

磨き残しを防ぐため歯垢が赤く染まる液体ハミガキを使用してみるのもおすすめです。

また、歯間ブラシやデンタルフロスを使用することにより、歯ブラシでは落としきれない部分の歯垢を落とすことができます。

 

 

まとめ

いかがでしたか?

虫歯になるしくみや予防方法をお分かりいただけたでしょうか?

自宅でできる虫歯予防方法もお伝えしましたが、歯医者で定期的に診てもらうことによって

歯磨きでは取り除けていない歯垢や歯石を取り除けることが可能ですし、

早期に虫歯を発見して治療できるなどたくさんのメリットがあります。

3ヶ月から半年に一度、予防のための歯医者に通ってみてはいかがですか?

 

執筆/ひらかわ歯科医院 院長 平河貴大