審美

ホワイトニングを行う前に知っておきたい大切な話

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  • 2018.10.06

歯を白くするための方法として、広く知られているのが「ホワイトニング」だと思います。
しかし、なぜホワイトニングを行うと歯が白くなるのか、ホワイトニングの効果が出やすい歯、出にくい歯などを詳しくご存知の方は多くないのではないでしょうか。
「ホワイトニングをこれから始めてみようかな」と思っている方も、
・なぜホワイトニングを行うと歯が白くなるのか
・ホワイトニングの種類
・ホワイトニングの効果が出やすい歯と出にくい歯
について知っていただければと思います。
ホワイトニングは目的によって手段が選べるので参考にして頂ければと思います。

 

 

《目次》

◆ホワイトニングで歯が白くなる理由

◆歯科医院で行うホワイトニングと自宅で行うホワイトニング

◆ホワイトニングの効果が出にくい歯

◆まとめ

 

 

 

 

ホワイトニングで歯が白くなる理由

ホワイトニングは単純に歯に白い塗料のようなものを付着させ、歯を白く見せていると思われている方もいらっしゃると思いますが、それは間違いです。

まずは、そもそも生えたての頃は白かった歯が、なぜ着色して黄ばんでしまうのかについてご説明いたします。

歯の黄ばみは、食べ物や飲み物などに含まれる着色成分が歯に付着することが原因です。

コーヒー、お茶、ワイン、カレーライスなどに含まれる色素は広く知られているのではないでしょうか。

その他にタバコに含まれるニコチンやタールも歯への着色の原因になります。

また、歳を重ねると歯の表面の層であるエナメル質がすり減っていき、その内側にある象牙質が厚みを増してきます。

エナメル質は半透明なため、すり減っていくと内側の象牙質が透けて見えやすくなり黄色みがかって見えるようになります。

それでは、これらをどのように白くしていくのでしょうか。

ホワイトニングで使う薬剤には着色汚れを「分解」する効果があり、「過酸化尿素」「過酸化水素」という成分が含まれています。

これらは歯の表面に付着した色素だけでなく、歯の中に含まれている色素も分解してくれるため、自分の歯自体も白くしてくれます。

これを「ブリーチング効果」と言います。

また、歳を重ねることによる歯の黄ばみに関しては、過酸化水素がエナメル質の表面を構造変化させることにより、光を乱反射させ曇りガラスの様にして歯を白く見せます。

これを「マスキング効果」と言います。

この「ブリーチング効果」と「マスキング効果」により歯を白く見せるのが、ホワイトニングのよる歯を白く見せる理由です。

 

歯科医院で行うホワイトニングと自宅で行うホワイトニング

ホワイトニングには目的に応じて手段を選ぶことができます。

大きく分けると「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」があります。

・ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは歯科医院で専用のマウスピースを作成し、自宅で薬液を付けたマウスピースを装着するホワイトニングです。

マウスピースは1日に約2時間装着します。

元々の歯の白さにより変化しますが、毎日行うことで約2週間程度で徐々に効果を実感できるようなります。

歯が白くなるのに時間と手間はかかるというデメリットがありますが、色戻りもしにくいため、白い歯を永い期間維持したい方に選ばれています。

また、薬剤が残っていたり新たに購入すれば、自分の好きなタイミングでホワイトニングを行うことができるのもメリットです。

・オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングは歯科医院で行うホワイトニングです。

歯科医師など資格を持つ施術者が行うため、高濃度な薬剤を使用でき、またレーザーなどの専用の機材を使用できるため、短期間で効果を実感することができます。

どれくらい白くしたいか、元々の歯の白さ、歯科医院にある機材や使う薬剤により2~3回の治療を受けられる方が多いです。

歯科医院で完結できる方法なので、ホームホワイトニングと違い、ホワイトニングに掛かる時間は大幅に短くなるのが魅力ですね。

一方で、オフィスホワイトニングはホームホワイトニングよりも色戻りが起きやすいというデメリットもあります。

結婚式やイベントなどで、スポット的に歯を白く見せたい方などはオフィスホワイトニングを選ばれる方が多い傾向にあります。

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングに共通していることですが、ホワイトニングを行ったからといって、油断してコーヒーやワインなど歯に着色しやすの物を摂取していると、色戻りが早くなってしまいます。

白い歯を維持するためには、食後のうがいや歯磨きなどの口腔ケアが大切です。

 

ホワイトニングの効果が出にくい歯

ホワイトニングは全ての歯に対して、同じように効果が出るわけではありません。

効果が出にくい歯や、全く効果がない歯もあります。

効果がない歯に対していくらホワイトニングを行っても意味がないので、注意が必要です。

① 神経を失った歯
歯の神経が有るか無いかでホワイトニングの方法が異なります。

神経が無い場合は歯の表面に薬剤を浸透させる方法では効果を得られないため、ウォーキングブリーチという歯の内側に薬剤を入れる方法があります。

② 歯のエナメル質が薄い
ホワイトニングの薬剤はエナメル質に対して作用するため、エナメル質が薄いと効果を実感するまでに時間がかかります。

③ 加齢による着色
歳を重ねるとエナメル質が薄くなり、象牙質が濃くなる傾向にあるので、こちらも効果が出るまでに時間がかかります。

④ テトラサイクリンで変色した歯
テトラサイクリンとは抗生物質の一種で、呼吸器疾患や皮膚疾患などに使用されます。

テトラサイクリン系の抗生物質は0~12歳の頃に服用すると、歯の象牙質に着色を起こしてしまいます。

その程度は人によって様々ですが黒に近い方もいらっしゃいます。

象牙質への着色なので、歯の表面に作用する一般的なホワイトニングの薬剤では、効果を実感することは難しいでしょう。

⑤ 入れ歯や被せ物など自分の歯ではない(※全く効果がない)
ホワイトニングは天然歯(自分の歯)に対して方法であり、人工的に作られた歯には全く効果がありません。

すでに作られた歯が入っている場合には、その歯の色も考慮した上で、白さの目標をたてる必要があります。

 

【よりホワイトニングの効果を得るためには】
歯に歯垢や歯石が付着していたり、着色成分がこびりついていると計画通りに歯が白くなりにくい場合があります。

そのため、ホワイトニングを行う前にしっかりと歯石取りや歯の表面の汚れを落としてもらいましょう。

また、虫歯により黒く変色してしまった歯もホワイトニングの薬剤では白くできないため、お口の中の環境を綺麗にしたうえでホワイトニングを行うことをお薦めします。

 

◆まとめ

一言にホワイトニングと言っても、その方法や効果の出やすさは様々です。

市販のものでもホワイトニングを行うことができますが、本気で効果を出したい場合には歯科医院で相談をして行う方が効果を得やすいでしょう。

また、一般的な薬剤を使ったホワイトニングでは適用できない歯は、ラミネートべニアなどの別の技術もあるので、まずは歯科医院に行って自分の歯の状態をしっかりと診断してもらいましょう。